Windows PowerShell 入門(3)-スクリプト編
これまでの記事
対象読者
- Windows PowerShellでコマンドレット操作ができる方(基礎編に書いてある程度のことが理解できていること)
- 何らかのプログラミング経験があればなお良い
必要環境
- Windows PowerShell
スクリプトの直接入力
PowerShellにおけるスクリプトは、コマンドレット、変数、パイプ、ifやforといった制御構文を組み合わせて使用します。
では、まず簡単なスクリプトをコンソールウィンドウに直接書いてみましょう。
Windows PowerShellを起動し、下記コードを入力してください。下記コードの最後の}を入力したら[Enter]キーを2回押します。スクリプトの入力が完了し、結果が表示されます(コンソールウィンドウ上でスクリプトを記述している間は1番左側に>>が表示されます。このとき[Enter]キーを2回続けて入力すると、スクリプトの入力を完了し、そこまで書いていたコードを実行します。途中で入力を間違えた場合は[Ctrl]キー+[C]キーで中断することができます)。
PS C:\Work> if ( Test-Path "Test.txt" )
>> {
>> Write-Host "Test.txtは存在します"
>> }
>> else
>> {
>> Write-Host "Test.txtは存在しません"
>> }
>>

このコードは、カレントディレクトリに対してTest.txt というファイルの存在を確認し、存在した時と存在しない時とで表示するメッセージを変えています。
少し補足説明をします。まずifですが、
if (条件式)
{
}
のように記述します。
ifは( )の中に記述した条件式が満たされると、すぐ下の{から}までに書かれたコードを実行します。条件を満たさなかった場合はelseを実行します。
- Test-Pathコマンドレット
- Write-Hostコマンドレット
よって今入力したスクリプトは、カレントディレクトリに「Test.txt」ファイルが存在すれば、「Test.txtは存在します」という文字列を、ファイルが存在しなければ「Test.txtは存在しません」という文字列を表示します。
このようにPowerShellでは、コンソールウィンドウ上で直接スクリプトを実行することが可能です。しかし決まり切ったスクリプトなどは、毎回コンソールウィンドウで入力するのは面倒です。PowerShellでは、スクリプトをファイルに保存して何度でも利用できるように設計されています。
では、スクリプトファイルはどのように作成したらいいのでしょうか。
スクリプトファイルの作成
PowerShellにおけるスクリプトファイルは、拡張子が「.ps1」のテキストファイルです。テキストファイルなので、メモ帳などのテキストエディタで作成することが可能です。
では、先ほどのコードをテキストエディタで入力し、「sample1.ps1」と名前を付けて保存しましょう(可能であれば「C:\Work」というフォルダを作成し、ここへ保存してください。以降このフォルダを使用して説明します。任意のフォルダへ保存する場合は適宜読み替えてください)。
if ( Test-Path “Test.txt” )
{
Write-Host "Test.txtは存在します"
}
else
{
Write-Host "Test.txtは存在しません"
}
スクリプトファイルの実行とセキュリティ
従来のスクリプティング環境のほとんどは、作成したスクリプトファイルをダブルクリックで実行することができました。しかしPowerShellでは、ダブルクリックでは実行されないように設計されています。これは簡単に実行できることで悪意のあるスクリプトファイルから身を守ることができるようへの配慮からです。
ためしに「sample1.ps1」をダブルクリックしてみてください。メモ帳で「sample1.ps1」が開かれるのではないでしょうか? スクリプトに使用される「.ps1」という拡張子がPowerShellに関連づけられていないため、このような動作になります。
PowerShellでは、スクリプトファイルは明示的に実行する必要があります。
まずはコンソールウィンドウで、
cd C:\Work
と入力し、ディレクトリを移動します。次に、
sample1.ps1
と入力し[Enter]キーを押してみてください。

まだエラーが発生してしまいます。このように実際にはスクリプトファイル名を入力するだけでは不十分です。PowerShellでは、スクリプトファイルの実行は絶対パスで指定するか、カレントディレクトリのファイルの場合は先頭に./を付けて実行します。
では、なぜこんな面倒くさいことをしなければならないのでしょうか? 実はスクリプトの実行は拡張子を省略して入力できるのですが、拡張子を省略すると、既存のコマンドレットと同名のファイル名を付けた場合には、自作のスクリプトと既存のコマンドレットの区別ができなくなってしまいます。これはコマンドの乗っ取りと呼ばれます。
例えば「Get-Command.ps1」という名前のファイルがあったとします。これを、
Get-Command[Enter]
で実行可能だとしたらどうでしょう?
既存のGet-Commandコマンドレットとの区別がつかなくなりますし、ましてやこのスクリプトがファイルを勝手に削除してしまうようなスクリプトだとしたら大変です。
このような背景から、PowerShellでのスクリプト実行は絶対パス、またはカレントディレクトリのファイルの先頭に./を付けて実行する仕組みとなっています。
これで、スクリプトの実行方法についてはわかりました。しかし、このままでは実行できません。PowerShellは、既定ではスクリプトの実行が許されていないからです。
コンソールウィンドウに、
Get-ExecutionPolicy
と入力し[Enter]キーを押してください。Restrictedと返ってきたのではないでしょうか? このコマンドレットは現在の実行ポリシーの設定を確認することができます。
実行ポリシーには以下の4つがあります。
| 実行ポリシー | 説明 |
| Restricted | すべてスクリプトの実行を禁止 |
| AllSigned | すべてのスクリプトに証明書を要求 |
| RemoteSigned | インターネットからダウロードしたスクリプトに証明書を要求 |
| Unrestricted | すべてのスクリプトの実行を許可 |
現段階では、自分のPCにあるスクリプトファイルが実行できれば良いので、実行ポリシーをRemoteSignedに設定しましょう。Set-ExecutionPolicyコマンドレットで実行ポリシーを変更することができます(OSがWindows Vistaの方は、Windows PowerShellを管理者として実行していないとこのコマンドレットを使用することができないので注意してください)。
Set-ExecutionPolicy RemoteSigned
と入力し[Enter]キーを押してください。これでやっとスクリプトファイルを実行できるようになりました。
では、「sample.ps1」を実行してみましょう。コンソールウィンドウで、
./sample1.ps1
と入力し[Enter]キーを押してください。
「C:\WorkにTest.txt」が存在すれば「Test.txtは存在します」を、存在しなければ「Test.txtは存在しません」と表示されるはずです(Test.txtを作成したり、削除したりして動作を確認してみてください)。

スクリプトファイルのエラー修正
残念ながら、先ほどのスクリプトを実行した結果、赤字でメッセージが表示されてしまった方もいるのではないでしょうか? これは、作成したスクリプトファイルにエラーがあることを示しています。
試しにわざとif文の最初の{ ~ }までのWrite-HostをWrite-Hos(Hostのtを削除して)と書き換えて実行してみましょう(実験する場合Test.txtを準備してから行ってください)。
if ( Test-Path "Test.txt" )
{
Write-Hos "Test.txtは存在します"
}
else
{
Write-Host "Test.txtは存在しません"
}
この状態で実行してみると下記のようになるかと思います。

これはどういう意味でしょうか? 1つ1つ説明したいと思います。
用語 'Write-Hos'は、コマンドレット、関数、操作可能なプログム、
またはスクリプト ファイルとして認識されません。用語を確認し、
再試行してください。
これはまさしく書いてあるとおりで、Write-Hosというものがない(認識できない)ことを意味しています。
発生場所 C:\Work\sample1.ps1:3 文字:12
+ Write-Hos <<<< "Test.txtが見つかりました"
これはエラーが発生した場所(ファイル)を示しています。今回実行したファイルは「C:\Work」に作成した「sample1.ps1」というファイルを実行してエラーが発生したので、「C:\Work\sample1.ps1」となっています。そのとなりの3 文字:12は3行目の12文字目がおかしいということを意味しています。
このように、メッセージからエラー箇所を特定し修正を行います。
スクリプトファイルへ値を渡す
PowerShellでは外部からスクリプトファイルへ値を渡すことが可能です。ためしに下記をテキストエディタで入力し、「sample2.ps1」として保存してください。
Write-Host $args[0]
このコードについて説明します。
まずWrite-Hostコマンドレットですが、これはWrite-Hostの右側に書かれたものをコンソールウィンドウへ表示します。
次に$argsですが、これは自動変数と呼ばれている変数で、外部から受け取った値はこの変数に代入されることが決まっています(この変数はPowerShellで予約済みの変数のため、この名前で変数を作成することはできません)。
$argsは配列変数となっており、いくつでも外部から値を受け取ることができます。各値へのアクセスは$argsの後ろに[]を付け、[]の中には数値を書きます。この数値は要素番号と呼ばれており、1番目に受け取った値は$args[0]、2番目に受け取った値は$args[1]、n番目に受け取った値は$args[n-1]でアクセスできます。
よって「sample2.ps1は外部から受け取った値の1つ目($args[0]に代入されている)を Write-Hostコマンドレットでコンソールウィンドウに表示せよ」ということになります。
では、コンソールウィンドウで、
./sample2.ps1 "A"
と入力し[Enter]キーを押してください。実行結果は下記のようになります。

これは、スクリプトファイル「sample2.ps1」実行時に「A」という文字を渡しています。 渡された値は$args変数に代入されているので、結果としてコンソールウィンドウに「A」という文字が表示されます。
スクリプトの実行結果を変数に代入する
最後に、スクリプトファイルの実行結果を変数に代入する方法について説明します。まずは下記コードをテキストエディタで入力して「tashizan.ps1」として保存してください。
return $args[0] + $args[1]
tashizan.ps1では外部から受け取った2つの値を加算してreturnで返します(returnを使用することで値を返すことができます)。
スクリプトファイルの実行結果を変数に代入するには、コンソールウィンドウで、
$result = ./tashizan.ps1 2 3
のようにします。
この場合は、「2」と「3」がtashizan.ps1に渡され、$args[0] + $args[1]で2つの値を加算し、加算した結果をreturnで返します。返された結果は、$result変数に代入されます。
コンソールウィンドウで
$result
と入力し[Enter]キーを押してみてください。代入された計算結果の「5」が出力されるはずです。
まとめ
今回は、
- スクリプトファイルの作成方法
- スクリプト実行とセキュリティー
- スクリプトのエラー修正
- スクリプトファイルへの値の渡し方と受け取り方
について説明しました。今回説明したことはほんの入り口にすぎないため、十分理解して次のステップへとつなげてもらえればと思います。
次回は、スクリプトファイルを作成する上で欠かせない変数や演算子、制御構文について説明したいと思います。
Windows PowerShell 入門(3)-スクリプト編的更多相关文章
- Windows PowerShell 入門(7)-関数編2
この連載では.Microsoftが提供している新しいシェル.Windows Power Shellの使い方を解説します.前回に引き続きPowerShellにおける関数の取り扱いとして.変数と関数のスコ ...
- Windows PowerShell 入門(2)-基本操作編 2
前回に引き続きMicrosoftが提供している新しいシェル.Windows Power Shellの基本操作方法を学びます.基本操作編第2弾の今回は.パイプの使用方法を中心としたコマンドレットの操作方 ...
- Windows PowerShell 入門(10)-デバッグ編
対象読者 Windows PowerShellでコマンドレット操作ができる方 何らかのプログラミング経験があればなお良い 必要環境 Windows PowerShell デバッグメッセージの出力 Po ...
- Windows PowerShell 入門(9)-エラー編
対象読者 Windows PowerShellでコマンドレット操作ができる方 何らかのプログラミング経験があればなお良い 必要環境 Windows PowerShell エラーをリダイレクトする リダ ...
- Windows PowerShell 入門(8)-関数編3
この連載では.Microsoftが提供している新しいシェル.Windows PowerShellの使い方を解説します.今回は.フィルタ.スクリプトブロック.変数のスコープについて取り上げます. はじめ ...
- Windows PowerShell 入門(6)-関数編1
この連載では.Microsoftが提供している新しいシェル.Windows Power Shellの使い方を解説します.今回は.関数の作成基礎と引数.戻り値.Switchパラメータについて説明します. ...
- Windows PowerShell 入門(1)-基本操作編
Microsoftが提供している新しいシェル.Windows Power Shellの基本操作方法を学びます.インストール.起動終了方法.コマンドレット.命名規則.エイリアス.操作方法の調べ方について ...
- Windows PowerShell 入門(4)-変数と演算子
Windows PowerShellにおける変数と演算子の使用方法について学びます.今回は代表的な演算子として.算術演算子.代入演算子.論理演算子.比較演算子.範囲演算子.置換演算子.ビット演算子.型 ...
- Windows PowerShell 入門(5)-制御構文
Windows PowerShellにおける制御構文について学びます.数ある制御構文の中でもSwitch文は.他の言語に比べ豊富な機能が用意されています. 対象読者 Windows PowerShel ...
随机推荐
- 浅谈DP
DP是一个范围极广的一门重要的算法,它与其他算法不同的是,它并没一套固定的公式,而是通过一种特定的思路,来进行无后效性的转移.其本质是通过一个状态转移至另一状态,将问题从大化小,并找到这些小问题之间的 ...
- Java 微信公众号迁移
背景:公众号换主体,要迁移,粉丝(openId)的业务数据要做处理. 第一步:参照我的另一篇文章,Java 导出微信公众号粉丝. 第二部:数据处理(master-worker模式) 程序主入口:Mai ...
- redis集群之哨兵模式【原】
redis集群之哨兵(sentinel)模式 哨兵模式理想状态 需要>=3个redis服务,>=3个redis哨兵,每个redis服务搭配一个哨兵. 本例以3个redis服务为例: 一开始 ...
- cookie与session的区别与关系
cookie与session的区别 1. 存储位置不同 cookie存储在浏览器中 session存储在服务端里 2. 大小不同 cookie最大4K session由于是存在服务端,因此理论上没有大 ...
- 用python实现单向链表
单向链表 单向链表也叫单链表,是链表中最简单的一种形式,它的每个节点包含两个域,一个信息域(元素域)和一个链接域.这个链接指向链表中的下一个节点,而最后一个节点的链接域则指向一个空值. 表元素域ele ...
- SpringBoot系列: Spring MVC视图方法的补充
SpringMVC 视图方法的参数, 已经在这个文章中写得非常清楚了, 链接为 https://www.cnblogs.com/morethink/p/8028664.html 这篇文章做一些补充. ...
- SQL Server进阶(四):联接-cross join、inner join、left join、right jion、union、union all
测试数据脚本 CREATE TABLE Atable ( S# INT, Sname ), Sage INT, Sfrom ) ) insert into Atable ,N,N'A' union a ...
- ASP.NET Web API 2 使用 AuthorizationFilter(授权过滤器)实现 Basic 认证
Ø 前言 在 Web 项目中授权认证方式有很多种,本文主要讲述基于 Basic 的认证方式.这是一种比较简单.常见的认证方式,主要是将请求的用户名和密码进行加密后返回给调用方,比较适合采用用户名.密 ...
- Groovy 设计模式 -- Strategy 模式
策略模式 https://en.wikipedia.org/wiki/Strategy_pattern In computer programming, the strategy pattern (a ...
- ads出现村田电容电感无法仿真的问题解决(`BJT1' is an instance of an undefined model `BJTM1')
需要的控件是 murata include,该控件是跟随村田库一起倒入ADS中的